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助け合って生きていこう!

  わたしの「タック」というニックネームは、高校生の時、キャンプで、山の頂上に登り、皆で感激して、ハレルヤの大合唱になったとき、わたしがタクトをとったので、友人が「タクト」と名づけたのです。それが、変形して「タック
さん」と呼ばれるようになりました。普段は呼ばれませんが、夏のキャンプでは、こどもたちが「タックさん」と呼んでくれます。
 
 さて、わたしは、キリスト教会の牧師なので、人の話を聞いてあげたり、相談に乗ったり、聖書の教えや、慰めや
励ましを語ったり、自分の体験を話したり、お祈りしたりすることが多いのです。それらのことは、一見、わたしがどなたかに、何かをして差し上げているように見えるのです。しかし、今わたしは、そういう気持ちをまったく持ってはいないのです。して上げる人と、してもらう人とがいるというのは、見かけ上のことで、実は共に生きている者同士
がいるのだと感じています。お互いの持っている、知識、体験、技術、喜び、悲しみさえも、分かち合って、助け合い、共に生きる喜びを味わっていくのが人生でしょう。よく、「喜びは二人で分かち合うと二倍になり、悲しみは二人で分かち合うと半分になる」と言います。まったくその通りで、そこに、共に助け合って生きていく喜びを感じるのでないなら、金持ちでも、健康でも、孤独だと言わなければなりません。

 心の病気に苦しむ人たちが実に多いのですが、病気と障碍を体験して、「なぜ、自分だけ、こんな病気になったのだろう」とか、「自分も人並みの人生を歩みたい」と考えたり、苦しんだり、絶望したりした体験をくぐり抜けて、
「共に助け合って生きていく」ことの喜びにたどり着く人たちが増えてきています。医学が進んで、回復への道が開けてきたということもあります。しかし、まだまだ回復の道は困難です。しかし、そのような状況下で、完全回復とは何か、と考えさせられます。薬を飲まなくてよくなること、結婚、就職などが出来るようになること、それが回復でしょうか。正常と言われている人たちが忘れているもの、失っているもの、「人が助け合って共に生きる喜び」を取り戻した人は、真の回復への道を歩みだした人です。正常だと言われている多くの人々が、実は病んでいる人人なのです。

 わたしは、ボランティアで、精神科病棟に座っているときが、一番心休まるときです。わたしも、休みを必要としている人間だからです。そして、入院している方々も、また社会に出てきたときには、何のへだてもなく、仲間として
一緒に生きていこう、という気持ちを表わそうと思っているのです。そこで、ボランテイアとして何かをすることが大切なのではなく、一緒にいることが大切なのだと思っているのです。

 自分はダメだ、役に立たない、人にしてもらうだけだ、迷惑をかけるだけだ、人に嫌われている、いないほうがよい人間だ。そんな風に考えておられる方がおられるなら、それは、大きな間違いです。あなた自身が偏見に捕われて、人間を差別して考えているのです。 いらない人間などはありません。 皆が助け合い、共に生きていくことの中に本当の喜びがあるのです。それを悟るまで生きてください。人生の課題です。つらいなら、そのときこそ、助け合って共に生きていきましょう。

  

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